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予備的遺言 相続人が先に死亡する場合に備えて

こんにちは、弁護士の奥田です。

今日は「予備的遺言」についてお話をしたいと思います。

 

『相続人が先に死亡する場合に備えて』というテーマです。

こういう事例です。お母さんがおられて、法定相続人としては長女Aと長男Bがいます。こういうケースで、お母様は長女から大変お世話になった。介護とかそういうことで大変お世話になったとかいろんな事情から、全て長女Aに渡したいという時に、お母様としては遺言をされるわけですね。全てAに相続させるという遺言をしたとします。

 

それでお母様が亡くなりました。その時にAは生きてますといったようなケースであれば、これは先ほどの遺言に書かれていた通りになるわけです。お母様の財産は全て長女Aに相続される。もちろん遺留分の侵害額請求という問題はありますけれども、それでも基本的にはこの遺言は有効だということに当然なるわけですね。

ところが、全てAに相続させるという遺言を書いていたのだけれども、お母様より、もらう側の長女Aさんが先に亡くなりました。この時にどうなるかという問題があります。

この問題については以前にお話しをしたことがあるかもしれませんけれども、改めてお話しをすると、この時には二つ考え方がありまして、一つは民法887条2項の代襲相続というところ、これが適用になるんじゃないかという考え方ですね。代襲相続というのはどういうことかというと、『被相続人の子が相続の開始以前に死亡したときは、その者の子がこれを代襲して相続人になる。』さっきの例でいうと、被相続人の子Aが被相続人(母)よりも先に死亡した時は、その者の子(孫C)が相続人になるということで、この考え方でいけばCがAを代襲して、全てCが相続するということになるんじゃないかという考え方がひとつあります。

 

もう一つは民法994条1項というところで、遺贈に関する規定があります。『遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。』遺贈というのは相続人じゃない人に財産を渡す場合によく使われるわけですけれども、こういう場合には遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときはその効力を生じないということなんで、これは相続させる遺言だから遺贈ではないんですけれども、その考え方でいえば、もらう側がこの遺言者よりも先に死亡した場合には効力が生じないということでありますので、この遺言自体は全部その効力がないですよということになって、普通の法定相続になるということになります。

 

この二つの考え方があったわけですけれども、この点に関しては最高裁が結論を出していまして、『特段の事情のない限り、その効力を生じることはない』と、つまり、「原則無効だ」ということを言ったわけです。この特段の事情のない限り、特段の事情というのはなかなかないわけですから、基本的には無効ですよということで、先程の994条1項のような考え方をします。つまり全てAに相続させるというふうに書いていたのだけれども、そのAの方が先に亡くなった時には、この遺言自体が全部無効ですよ、Cが代襲して全部相続するという事はありませんよ、という考え方を示して、実務はこういうことになってると考えてよいと思います。

 

そうするとどうすればいいのかというと、一つは新たに遺言する。A さんが亡くなった時には、まだお母さんはご存命なわけですから、このままでは遺言は無効になります。もちろん無効になるならそれでいいということであれば別ですけれども、そうじゃなくてやっぱりAが亡くなった後にはA の子ども、孫であるCに相続させたいというようなときには、新たに「すべての財産を孫Cに相続させる」といったような遺言を改めて書くという事が一つ。

 

あるいは亡くなったAのご主人に渡したいといったような場合には、「長女Aの夫Dに遺贈する」。Dというのはそのお母様から見れば相続人ではありませんので、「遺贈する」という形で遺言を書いておくというのがひとつの対策。

 

もう一つは、最初からこういう事に備えて、いわゆる予備的遺言を書いておく。「全てAに相続させる」ということだけではなくて、加えて、「仮に遺言者より先に、もしくは同時に死亡した場合には、全ての財産は孫Cに相続させる」とか、ここも孫ではなくて長女のご主人に渡したいという場合には、「長女の夫 D に遺贈する」という風に予備的に遺言の条項を書いておくということで対策になります。

 

時々こういうふうに、お子さんの方が親より先に亡くなるといったケース、これがたまにありますので、そういった場合には、今日申し上げたことを少し思い出していただいて、改めて遺言し直すとか、あるいは最初からこういうふうに予備的遺言をしておくということがいいんじゃなかろうかと思います。

今日の話は以上です。

 

筆者プロフィール

弁護士 奥田 貫介 

おくだ総合法律事務所 所長 

司法修習50期 福岡県弁護士会所属 

福岡県立修猷館高校卒 

京都大学法学部卒 

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