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相続放棄と事実上の相続放棄

1 相続放棄とは

被相続人が死亡すれば、遺産は自動的に相続人に引き継がれます。

ところが、相続人となるべき人が、遺産を相続したくない場合もあります。例えば、遺産に多くの借金がある場合には、相続したくないかもしれません。そのような場合に必要な手続が、相続放棄です。

 

事実上の相続放棄との混同に注意

相続放棄は、後で説明する事実上の相続放棄とは異なり、期間や方式が厳格に決められています。そして、債務(借金)を相続しないためには、相続放棄が必要です。

2 手続の概要

⑴ 手続は誰がする?

各相続人(相続人が未成年者または成年被後見人である場合には、その法定代理人)

⑵ どこに行けばいい?

手続は、被相続人(亡くなった方)の最後の住所地の家庭裁判所

⑶ 何が必要?

・ 相続放棄申立書(家庭裁判所の窓口で入手できます)

・ 被相続人・申述人(放棄する方)の戸籍謄本等

               (詳しくは、裁判所・法律相談等でお尋ねください)

・ 費用1500円程度(申立手数料800円+郵便切手代)

⑷ いつまでにすればよい?

相続の開始があったことを知ったときから3か月以内(この期間を「熟慮期間」といいます)

⑸ その他の注意点

相続人が、①相続財産の全部または一部を処分した場合や、②相続財産を隠匿・消費した場合や、③あえて債務(借金)を相続財産の目録中に記載しなかったときには、相続放棄はできなくなります。

自分で相続放棄する場合のポイント

相続放棄の可能性が少しでもある場合には、まずは、できるだけ早めに家庭裁判所の窓口に行くことをお勧めします。

 

そこで、相続放棄申立書のひな形を受け取り、必要書類(戸籍等)を確認してから、一旦は自宅に持ち帰ります。そして、実際に相続放棄するかどうかは、必要書類(戸籍等)を取り寄せながら、考えていけばよいでしょう。

 

被相続人の本籍地によっては、戸籍等の取り寄せには1週間程度かかることもあります。また、提出書類に不備があれば、追完が必要になります。そのため、3か月という熟慮期間は、あっという間です。

 

ただし、相続放棄は、一旦家庭裁判所に受理されると、たとえ熟慮期間(3か月)内であっても、取消し(撤回)をすることはできません。そのため、家庭裁判所の窓口で正式に提出するときには、慎重に判断しましょう。

3 事実上の相続放棄

⑴ 事実上の相続放棄とは

相続人は、相続放棄の手続をとらなくても、自分に帰属した財産・権利を放棄することは可能です。これを、「事実上の相続放棄」といいます。

例えば、遺産分割の話し合いのなかで、先祖代々から引き継がれている土地を相続人の一人の単独所有にする際などにとられる手続です。

⑵ 事実上の相続放棄の方法

① 遺産分割による方法

遺産分割協議(調停)において、自己の取得分はゼロとすることに合意して、協議を成立させる方法

 

② 特別受益を受けたことにする方法

すでに被相続人から特別受益を受けているとして、自己に相続分がないことを証明する文書(この文書は「特別受益証明書」「相続分なきことの証明書」などと言われます)を作成する方法

 

③ 相続分の譲渡・放棄による方法

自己の相続分を譲渡・放棄する方法

⑶ 事実上の相続放棄のメリット・デメリット

事実上の相続放棄は、相続人同士の遺産分割協議の中で行われる手続です。裁判所の関与なくして簡易・柔軟に行えますし、熟慮期間後などで相続放棄ができない場合にも可能です。

ただし、事実上の相続放棄とは、その名のとおり、あくまで事実上の手続にすぎず、裁判所の相続放棄とは全く異なります。とくに、事実上の相続放棄によっては、債務(借金)を放棄することはできませんので、ご注意ください。

 

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