Aが父親、BとCが子供。
AからBに5年前に2000万円を生前贈与。その結果、遺産0、債務も0
この場合、遺留分の計算方法は、民法1043条によると、
(死亡時の財産額+贈与の価額-債務)×遺留分率
したがってこの場合、Cの遺留分は
(0+2000万円-0)×1/4=500万円
ということになり、CはBに500万円を請求することを考えることになります。
ここにいう「贈与」は、民法1044条で、
非相続人への贈与=死亡前1年間
相続人への贈与=死亡前10年間
(ただし、双方が遺留分権者に損害を与えることを知っていれば、上記の期間制限なし)。
ですから、相続人Bへの生前贈与が5年前であれば、2000万円は遺留分算定の基礎に算入され、CはBに500万円を請求できることになります。
では、Bが「相続放棄」(民法938)をしたらどうか。
相続放棄をすると、民法939条によって、「初めから相続人とならなかったものとみなす」とうことになりますから、「非相続人への贈与」ということになって、死亡前1年間のものだけが問題となる、ということになります。
したがって、5年前の2000万円の贈与は遺留分の計算基礎から外され、その結果、Cは500万円の請求はできない、ということになります。
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筆者プロフィール
弁護士 奥田 貫介
おくだ総合法律事務所 所長
司法修習50期 福岡県弁護士会所属
福岡県立修猷館高校卒
京都大学法学部卒
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